2008-09-17

RICOH AUTO HALF E その5

その後試し撮りをした。自動露出はきちんと働いている模様。あまりコントラストが強くない所で使うのが良いのかな、このカメラは。
 ところで、いつもと違う店にフィルムを持って行き、多分ハーフサイズでもCDに焼けると思いますよ、との事なのでお願いしたのだが受け取りに行ったら、駄目でした、とのお言葉。一瞬ごねるべきかとも思ったが、現像依頼の際に小型三脚を頂いた、今後どんな機会にお世話になるやも判らぬ、それ以前にごねる度胸など在りゃしないのであった。

その数日後キャンプへのお誘いが在り、いざ実践投入じゃとオートハーフを持ち出す。天候が良くない、その夜一時的に別件で飲み屋へ行く、と言う事でISO 400のフィルムを入れた。
  
 画像は順に、設営したテント、飲み屋での一コマ、後日撮影した晴天時の裏庭。
 やはり絞りが解放になるとボケが出るようだ。

2008-09-03

RICOH AUTO HALF E その4

裏蓋のフィルム押さえ (パトローネ押さえに非ず) の板バネを調整しての発掘後三度目の撮影、CD-ROM化してもらったのでその中から以下に掲載。
  
 フィルムはISO 100、カメラの感度設定は順にASA25・100・400、同位置から。
 画像左の岩の部分が特に判り易いと思うが、カメラの感度設定を上げるにつれボケが無くなっている。前回前々回に四隅流れと書いたが、単に露出の不具合によるボケなのだろうか。

更にもう一本フィルムを無駄に使ってしまった後、やっと露出計周りいじりを開始。

 先ずはセレン取出し作業。
 本体前面の透明部品に内部への突起が在り、その突起が内部の押さえ板で留められている。透明パーツの突起を、接着剤ではなく戦車プラモのポリ製履帯留めやゼンマイ固定でお馴染みの焼き留め固定しているようだ。四ヶ所留められているので、ナイフや細い精密ドライバでコリコリ削る。
 因みに組み直しをする際は、Gボンドクリア・エポキシ接着剤・両面テープ等の中のお好みの物で再固定するのが良いかと思われる。私はうっかり瞬間接着剤で白化させてバラして拭き取ってテープで固定し直しという二度手間野郎。   

 一旦外側に外した透明パーツ・スペーサ・セレンの複合体を、前面パネルの開口部から抜く。その作業前後どちらでもかまわないが、セレンを外しておく。透明パーツの爪で左右から押さえられており、破損させぬ様慎重に。私は片方折っちまったい。

 セレンに繋がるリード線は、赤がプラスで黒がマイナス。赤がシャシー部分にアースされているからといって勘違いせぬ様。私は勿論テスタを当てるまで勘違いしており、リード線の使い方が逆なのじゃぁ、と馬鹿にしていたのが申し訳ない。
 フォレスターさん (で良いのかな) のサイトにセレンの話が在り、電圧は0.5V〜0.6Vとの事、12Wの卓上蛍光灯に近づけながら測るとそれ位出ている。蛍光灯の至近距離まで行くと0.8V強位まで行く。劣化はしていないようだ。

 黒のリード線は固定抵抗経由で露出計に繋がっている。私の個体では固定抵抗は4.0KΩ、露出計自体の抵抗値は1.6KΩ程度、だった。
 素人寫眞機修理工房さんのAuto Half Eのレストアでは固定抵抗は2.4KΩ。
 ペンタックスの思い出 おとぉの中古カメラ熱病のお話さんのオートハーフ SE 修理記でも機種は違えど固定抵抗は2.4KΩ、メーターは1.5KΩ。
 私の個体の抵抗はどこかの誰かが付け替えたのか、それとも元々例えばセレンのばらつきに合わせて抵抗値を変えていたのか、定かではない。とにかくセレンが生きているので良し。
 そういえば、配線、特に黒リード線-抵抗-露出計のラインはハンダ付けをやり直しておくと吉。リード線のハンダが乗っている部分とそうでない部分で切れ易くなっているようだ。線自体も新調した方が良いのだろうが、私はこんなに細い物を持っていないのでオリジナルを再利用。余っている電池スナップから流用しようと思ったのだが皮膜が厚いんだよなぁ。

 さて、露出計の作業へ。
 設定ダイアルを取り外すのだが、その前に真鍮製のシャッタースピード切替レバーを外しておく。
 設定ダイアルを留めているネジは正面から見えるステーに二本と本体後ろから一本、計三本。
 設定ダイアルを取り去る前にASAダイアルを25に合わせておくこと。感度を上げる程ダイアルに連動した板が露出計ユニットの感度用レバーに付いたポッチを外側へ押して行くのだが、レバーは力が加わっていないときは最低感度位置になる様にバネが付けられており、力が掛かった状態で無理に外そうとすると何処かを破壊してしまう可能性有。
 取り付けの場合も同じ。ダイアル位置を400にしていると板がレバーの上に被さって歪んでしまうやも知れぬ。

設定ダイアルを取り外した後、セレンを蛍光灯に近づけたり離したり、セレンの代わりに電圧が半分程度に下がった乾電池を繋いでみたり、テスタの抵抗値測定モードで電気を流してみたり、それらの実験を感度レバーを動かしながらやってみたりしたのだが、どうも針の振れが安定しない。
 更に露出計ユニット自体を本体から外して同様の実験をし、ユニットを外したらアースが取れない事に気付かず今度は全く反応しなくなったぞ等と慌てふためいたのはここだけの秘密だ。
 それはさておき、Junk貧乏さんのオートハーフSE分解記事に、ゼロ点調整、と言う記述が在りこれを試す事に。
 コイルの真上に位置するネジを調節するのだが注意が必要だ。ネジのコイルに面している部分は窪んでおり、コイルに付いているピンの先がここに収まるのだが、緩めすぎるとピン先がネジの窪みから外れコイル自体が傾き、再び窪みに収めるのに難儀するはめになる。細かくて狭くて、目の悪い私には苦行だった。
 調整は、ネジを一旦締めて (ギチギチに締める必要無し。抵抗を感じたらもうよい) から様子見しつつ少しずつ緩めて行く。
・セレンに光が当たらぬ様にして感度レバーを動かす (おそらく指針に変化はほぼ無い)
・セレンに光を当てながら感度レバーを動かす (感度を高くすると指針が大きく動く)
・数ヶ所、感度レバー位置を固定しセレンに光を当てたり遮ったりして指針の変化を確認する
 指針がスムーズに動けば完了。これでおそらく問題解決のはず。
 そういえばネジに付いている緑色は、どうやらグリスらしい。このネジはかなり軽いのでグリスの粘度で押さえているようだ。作業過程でこのグリスが結構取れてしまったのだが代用品が無いのでそのままに。メンソレータムを盛ろうかと思ったのだが、気温の高い日等に融けて余計な所に流れ込んだりしたら嫌なので思いとどまる。

 ここから再組み立てに入る訳だが、案の定不具合が待ち受けていた。下手の横好き、と言う言葉が頭をよぎる。
 不具合とは、シャッタースピードが1/125にならぬ、というもの。設定ダイアルの取り付け時に動く範囲で微調整するも上手く行かぬ。真鍮製レバー・バネ・ギアがピタゴラスイッチ的連動をしており、結局、真鍮製レバーに紙片を貼りその下に在るバネへのスペーサとする事で解決。

 話はかなり前後するが、最初に分解した際ファインダの遮光板が接着剤の劣化の為に取れてしまって本体内で遊んでいた。劣化した接着剤をナイフでこそぎ落とし代わりに両面テープで固定。ついでに、と言っては何だが、無水エタノールでレンズの掃除をしたのでファインダを覗くと大変気持ちがよい。

後は最後のテスト撮影 (である事を祈っている) なのだが、晴天時に行いたい私の気持ちとは裏腹にどうも天候が不順で延期中に付き未確認。どうか良い結果になります様に。