取り敢えずカメラを分解する事に。「ricoh auto half 分解」等でGoogle検索した諸先輩方のサイト、特に素人寫眞機修理工房さんのオートハーフ系修理記事が大変参考になった。
マイナスネジは精密ドライバーで問題ないのだが、円盤・円柱の側面に二カ所切り込みが在る物、正式名称はなんと言うのだろう、これをどうやって緩めようか悩む。カニ目レンチと言う道具が在ると楽なようだが、私は結局先の曲がったラジオペンチを使用。傷が心配だったが、オークションで高く売ろう等と思っている訳じゃないんだイケイケヤッチマイナー、と強引に回す。この先曲りラジオペンチ、もう少し先が細いと良いんだがなぁ。
掲載した画像は本体右側の裏蓋を開けるボタン部分で、ボタンを外した後上下二本のネジを外すとこのパネルが取れる。そのパネルに隠されていたネジがストラップリングの上に一本在るのでこれも外す。本体反対側に在る三脚用穴リングとフラッシュ同期用コネクタも前出のラジオペンチで取ると目出たく本体前面パネルを外せる。力任せに引っ張ると、前面パネルに仕込まれたセレンと本体の露出計を繋ぐコードを引きちぎってしまうので慎重に。
前面パネルを外し色々いじっていた中で、レンズを覗き込みながらリングを動かしシャッターを切った時、どうもシャッタースピードが変化していない様な感じが。
このカメラは、シャッタースピード1/125秒固定と1/30秒固定の2モードで、切替には本体上部左にある銀色のリングを回す。リング内側の小窓に赤字の「A」が表示されていると1/125秒固定の自動露出モード、リングを反時計回りに動かすとクリックが外れる感触と共に1/30秒固定のフラッシュ装着時モードとなり更に動かしてゆくと白字の絞り値が現れ2.8から22まで手動で合わせられる。因みにフラッシュを付けなくても撮影可能。
そして参考にしているサイトの画像と首っ引きで内部を観察し、おかしな所発見。
本来噛み合わさっているはずの、シャッタースピードを変える真鍮製のレバーとそれを制御する黒いレバーが外れている。
父親曰くこのカメラ、はるか昔銀河系の彼方で......とは言わなかったが、私の誕生前後に知人から買い取ったのだそうな。前の持ち主が何事か仕出かしたのやも知れぬ。或は、幼き頃分解魔だった私の兄の仕業だろうか。(2009-05-07追記: 黄金週間中に帰省した兄曰く、自分ではない、との事。家の裏に在った廃車を分解したり近所のトラクターを分解しようとして怒られたりはしたが、精密機械には手を出していないそうな)
とにかくこの二つのレバーを噛ませてシャッターを試す。レンズ越しに白い紙を見ると、シャッターを切った瞬間の明るさが1/125と1/30では明らかに違う。宜しい。
これで大丈夫かなとカメラを組み直し、発掘後二度目の撮影へ。セレンが弱っている場合絞り込めないのでわざとカメラの感度設定を高い方へずらすと良い、と言う記述を見かけ、ISO 100 のフィルムを使いカメラ側の設定を100から200までの四段階で同じ場所から撮影。因みに100と200の間は125と160、で良いのかな。
これが又うーんと首をひねる結果に。カメラの設定を変えても何も変わらない。よーく目を凝らすと陰の部分の濃さが若干違っている様に見える気もしないでもないなぁ、といった程度の差で露出を変えた感じは全く無い。そして相変わらずの四隅流れ。
露出計周りは複雑そうなので後回し、四隅流れは暗室への押さえつけが弱い所為なのかもと思い立ちフィルム押さえ付け板に付いている板バネを調整、三度目の正直となるか、二度ある事は三度あるのか、撮影に出かけた。つづく。